研究概要 |
本年度は、「投影ドラマ法」がもたらす心的体験の特徴や表現の仕方(表現スタイル)とパーソナリティ傾向の関連性を既存の表現療法の技法と比較するため、これまでに引き続き調査を行った。1.フィンガーペインティング(絵の具を指や手の平につけて描く技法)、2.自由描画(思い浮かぶイメージを利き手とは逆の手で描く技法)の2技法に焦点を当て、大学生・大学院生を対象に調査を行った。いずれの技法も4、5名からなるグループでの実施と個別での実施の2つの形式を採用し、1技法1形式につき50名に実施した。 成果発表としては、これまで収集した調査データを分析し、学会発表を行った。1.ドラマセラピーに着目し、ドラマエクササイズから得られる心的体験とパーソナリティ傾向の関連性を分析し、日本心理臨床学会第31回秋期大会で発表した。2.集団での箱庭制作から得られる心的体験とパーソナリティ傾向の関連性を分析し、日本心理学会第76回大会で発表した。3.「投影ドラマ法」の幼児への適用も視野に入れる目的から、幼児期におけるファンタジーの意味について考察し、日本モンテッソーリ協会(学会)第45回大会で発表した。 また、上記の発表内容を学術論文にまとめ、国内の学会誌に投稿し、以下の通り採択された。1.「幼児期におけるファンタジーの諸相-モンテッソーリ教育の見解と心理学的考察を踏まえて-」モンテッソーリ教育 46号(印刷中), 2013年5月. 2.「グループ箱庭を通して得られる心的体験とパーソナリティとの関連性」立命館大学心理・教育相談センター年報 11号, p.3-12 2012年12月, 3.「心理臨床のプロセスをとらえる調査モデルの可能性」立命館人間科学研究 25号, p.33-45 2012年6月.
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