研究概要 |
リクガメ(ホルスフィールドリクガメ)用の放射状迷路の開発,飼育方法および餌報酬を用いた実験を行うための給餌法の確立,放射状迷路での予備訓練法の確立を行った。2個体を飼育し,そのうちの1匹について安定した放射状迷路遂行が確認され,およそ30分以内に8アームすべてから採餌することが可能になった。さらに,この個体については,8方向迷路の自由選択課題において,チャンスレベルを超える水準での遂行が確認された。訓練は継続中であり,嗅覚手がかりの利用可能性の検討や反応パタンの柔軟性等に関して引き続き検討を行う予定である。他方の1個体については,予備訓練によるアームの順次の進入が不調に終わった。同種に一般的に適用可能な訓練法,実験餌等の実験条件の検討を引き続き進める。 硬骨魚類の放射状迷路遂行については,大型化した放射状水迷路における強制選択-自由選択法を用いて,キンギョとコイにおいて検討した。その結果,両種においてチャンスレベルを有意に超える遂行が確認された。またキンギョについては採餌アームを避けるwin-shift課題と採餌アームの再選択を求めるwin-stay課題を比較すると,ラット等と同様にwin-shift課題の成績が優れ,win-stay課題では遂行はチャンスレベルを超えないことが明らかになった。しかしながら,コイとキンギョのwin-stay課題の成績は,これまでに使用した小型迷路よりも劣ることが示唆された。結果の分析から,迷路の大型化に伴うアーム進入負荷の低減が原因であることが示唆された。この結果を基にして,硬骨魚類に適用可能な放射状迷路の一般化を進める予定である。 イモリについては飼育条件について検討を行った。引き続き,適用可能な迷路の開発を進めている。
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