本年度は、脳機能の可塑的変化のメカニズムを調べる研究課題についての、基礎的な環境整備を行った。 1) 可塑的変化を示す実験課題作成、行動計測のための予備実験我々の先行研究により、特定の触覚刺激が特定の被験者に対して脳の可塑的変化を示すことが明らかになっている。その触覚刺激を被験者に提示するための非磁性体触覚刺激の作成とその固定具の作成を行った。また、それらを用いてMRI装置内で課題の遂行が出来ることを確認した。 2) 視覚野同定のための視覚刺激の作成、行動計測のための予備実験視覚野において起こることが明らかにされた脳機能の可塑的な変化は、機能的な視覚野の領域は不明である。脳内で表象される網膜部位の再現を観測する最適な刺激を作成し、予備実験を行った。3) 視覚野同定のための解析視覚関連の脳領域を特定するための脳機能画像解析ソフト(Brain Voyager)を用い、解析を行っている。4) Dynamic Causal Modeling解析するにあたっての実験刺激の作成、モデルの作成可塑的な変化を示した脳領域の血流変化を統計的な手法を用いて、領域の神経活動が他の領域に与える影響を調べる。異なる脳部位の活動間の関係性を知ることができ、神経ネットワークにおける情報の伝達がどのように変化したかを明らかにする。そのための計測法及び解析モデルの確認を行った。5) Diffusion tensor imaging (DTI)撮影パラメータの確認Dynamic Causal Modeling解析を行う際に、脳領域間の解剖学的結合を調べるためのMRI撮影を行う。実際の撮影を行うことにより、撮影パラメータを決定した。
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