研究概要 |
本研究では感覚モダリティをまたいだ場合と(視覚,聴覚,触覚),モダリティはまたがないが属性をまたいだ場合(色,輝度,方位)について,同期・非同期弁別課題とバインディング課題の両方を行って,対応付けの時間限界を比較した.結果は同期・非同期弁別課題とバインディング課題との明瞭な乖離を示した.同期・非同期弁別課題ではモダリティの組み合わせによって時間限界が異なり,視聴覚,視触覚の対応付けの時間限界が約4Hzとなったのに対し,聴触覚の対応付けの時間限界は約10Hzとなった.一方でバインディング課題では,属性をまたぐ場合,モダリティをまたぐ場合を問わず,対応付けの時間限界は約2.5Hzとほぼ一定になった.これらの結果は属性やモダリティをまたがった時間バインディングにおいて「時間(when)」と「内容(what)」の情報がいったんばらばらに処理されたのちに、比較的高次の汎用メカニズムで統合されることを示唆している。
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