幼児の「同型的行為」の社会的な役割を明らかにするという研究の目的のもと、幼稚園における観察(国立幼稚園4歳児クラス5回、公立幼稚園3~5歳児クラスで予備的観察を5回程度)を実施し、観察記録をまとめた。複数の幼稚園での観察を実施するなかで、同型的行為を含む幼児のかかわりの詳細を把握することができた。 観察では平成20年告示(平成21年度より実施)となった幼稚園教育要領にて強調され、本研究の目的でもある「規範意識の芽生え」「協同的な活動」に注目し、幼児同士の具体的なかかわりと保育者の援助について考察を深めた。 これらの観察および考察をふまえ、これまでに得た研究知見を発展させ、幼稚園に教育における観察と記録のあり方(「初等教育資料」2010年1月号)、3歳児の「集まり」の場面でのかかわりが身体的であること(「幼児の教育」第108巻第5号)を、雑誌論文として発表した。 平成22年度以降の研究計画では、観察を継続し、観察結果をもとに分析と考察を行い、論文化し学会誌への投稿を行う予定である。
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