幼児の人間関係における「同型的行為」の役割を明らかにするという研究の目的のもと、幼稚園での観察(3~5歳児クラスでの予備的観察、5歳児クラスでの継続的観察6回)を実施し、観察記録をまとめた。複数の幼稚園での観察を実施することによって、同型的行為を含む幼児のかかわりの発達的変化の流れを把握することができた。 観察から、本研究の目的のひとつである同型的行為の「発達的変化」に注目し、幼児同士の具体的なかかわりと保育者の援助の在り方について考察を深めた。 これまでに行った観察と平成22年度の観察の考察をふまえ、幼稚園の数名の男児の3年間の縦断的観察事例をもとに幼稚園教育課程の基礎となる発達について人間関係を中心に考察し発表した(『幼児教育課程総論』2011年3月刊行)、また、幼稚園・保育所等における「子ども理解」を深めるための観察と記録のあり方について発表した(『子ども理解と援助』2011年3月刊行)。 平成23年度以降の研究計画では、これまでの観察結果をもとに分析と考察を行い、論文化し学会誌への投稿を行う予定である。
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