研究概要 |
戦後初期の小学校が作成したカリキュラム関係などの冊子類,学校新聞などの教育資料の閲覧,収集を行い,コア・カリキュラムの計画と実践の実態をつかんだ。茨城県猿島郡境町立静小,見附市立見附小,むつ市立大平小,南足柄市立郷土資料館が膨大な資料を所蔵していることが判明し,借り出して複写した。陸前高田市立博物館にも膨大なカリキュラム冊子を発見したが,閲覧にとどまった。また,茨城県猿島郡境町立静小に関わる元教師と教え子数十名に対してインタビュー懇話会を行い,テープ起こし記録を作成中である。他に何件か,資料閲覧やインタビューの約束をとることができた。 その結果,とくに,[各校のカリキュラム計画]につき,コアと周辺,および基礎,問題解決,生活実践という三層のうちに,今日でいう習得,活用,探究が互いにいかなる論理・関係で「総合」されていたかについて考察を深めて論文を執筆中であり,また,[カリキュラム実践とカリキュラム経験]につき,各校の計画が,実際には,授業や単元のかたちでいかに実践に移され,その際,何が困難で,また意義深かったか,といった教師と子どもの側におげるカリキュラムの実現を明らかにするための資料・データを大量に収集することができた。なお,以上に関わって,さまざまな研究会,ワークショップ,学会大会などに参加することで,分析の視点と見通しを得ることができた。
|