研究概要 |
平成23年度は、主として下記のことに取り組んだ。 (1)日本の実践校におけるアクション・リサーチ:平成22年度に引き続き、奈良女子大学附属小学校、向日市立西ノ岡中学校、福岡教育大学附属福岡中学校、京都府立園部高等学校などとの共同研究に取り組んだ。さらに、乙訓地方中学校長会による乙訓スタンダードの作成に対する支援を行った。 (2)米国の実践に関する調査:引き続き、パフォーマンス課題に対応する学力を身に着けさせるための指導方法(differentiated instruction, the art and science of teaching)や、パフォーマンス課題に組織的に取り組むための学校経営(differentiated school)に関して、米国の資料を検討した。あわせて、パフォーマンス課題を取り入れたカリキュラム設計の基本文献である、Wiggins,G.,and McTighe,J., Understending by Design (Expanded 2nd Edition,ASCD,2005)の翻訳作業を進めた(この翻訳書については、平成24年5月に刊行予定である)。 (3)成果の発表:パフォーマンス評価に取り組むにあたって、「本質的な問い」を意識したカリキュラム設計を行うことが有効であることを、雑誌等で論じた。また、教育目標・評価学会の第22回大会の公開シンポジウムにおいて、「目標に準拠した評価」の充実のために、パフォーマンス評価の開発と普及、ならびに成績づけのためのスタンダード作りが課題となっていることを明らかにし、乙訓地方における取り組みの一端を報告した。
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