22年度は、研究の目的に示した2つの柱のそれぞれについて、以下の研究を進めた。 1.アメリカの入門期英語教育における文字指導のあり方についての研究 ・子どもの言語経験を尊重する言語教育アプローチである「ホール・ランゲージ」や、ホール・ランゲージとフォニックス指導の融合を目指す「4ブロックス・アプローチ」の理論・実践について、とりわけ評価(内容、方法)を再検討した。そこから、日本の小学校英語での文字指導における小中連携を視野に入れた指導の系統性、子どもの言語経験の蓄積を重要視した評価方法を検討・提案した(学会発表)。 ・フォニックス指導をめぐるあらゆる立場の教材・教科書の収集を行い、文字指導・フォニックス指導の系統性・評価方法の違いの分析を継続的に進めた。 2.小学校におけるアクション・リサーチによる文字指導を軸としたカリキュラムの開発・評価 ・文字指導に関する先行研究の収集、また先進的な取組をすすめる自治体(京都市や寝屋川市など)や私立小学校等のカリキュラムを収集、訪問調査し、文字指導に焦点化してカリキュラム・教材・評価方法についての分析を進めた。また『英語ノート』を用いた文字指導について授業観察や資料収集を行った。 ・21年度に作成した文字指導の指導モデルを元に、子どもの言語経験を尊重する文字指導のあり方について、フォニックス指導の可能性や具体的な教材、評価の内容・方法について現場教員との意見交流を行い、継続的な検討を行った。
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