研究課題/領域番号 |
21730621
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
赤沢 真世 立命館大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (60508430)
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キーワード | 小学校 / 英語 / 文字指導 / カリキュラム / ホール・ランゲージ / フォニックス / 評価 / 入門期 |
研究概要 |
主に次の二つの柱について、それぞれ以下のような成果があった。 1.アメリカの入門期英語教育における文字指導のあり方についての研究 WLとフォニックスの指導の統合化を図ろうとした「4ブロックス・アプローチ」にもとづいた実践書を取り上げ、とりわけフォニックス指導・文字指導を中心に「子どもの言語経験の蓄積の把握」「指導の系統性の構築」という、これまで明らかになった二つの重要な視点について分析を進めた。そして、現段階では、「指導の系統性の構築」については、これまでのフォニックス指導研究の成果がカリキュラムに反映されていること、フォニックス導入時には子どもの生活経験を重視した実践を強調していることが明らかとなったが、さらなる詳細な検討が必要である。また、子どもの言語経験の蓄積の把握については、実践書に付属している指導書の検討や、実践事例の資料収集・検討を行いさらに分析する必要がある。 2.小学校におけるアクション・リサーチによる文字指導を軸としたカリキュラム試案開発・評価 子どもの言語経験にもとづいた文字指導のあり方について,フォニックス指導を視野に入れながら学年(高学年のみならず,文字への気づきを意識させる低学年も含む)での到達目標・教材例について、とりわけその前段階として重要な「音素への気付き(phonemic awareness)」の指導のあり方に焦点を当て、新たに資料収集を行い、分析を進めた。また、「音素への気付き」の指導を実践に取り入れ始めた外国語活動担当教員に聞き取り調査を行った。現段階では、文字指導の前提として「音素への気付き」の指導の重要性や指導方法・プロセスは明らかになったものの、小学校外国語活動の時間内に、副読本『英語ノート』の活動とのかかわりのなかで具体的にどのように展開すればよいのかということについては引き続き検討が必要な課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
産休・育休にともなう研究中断により、海外における資料収集・調査等、および教材の分析、授業実践の調査等が計画通りに進められていないため。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度にはアメリカにおける入門期英語教育についての動向を調査、および日本の小学校における実践の実態調査、訪問を重ねることにより、文字指導カリキュラムの開発、完成をめざす。その上で、平成25年度には、訪問調査にあたった現場を中心に、開発したカリキュラムについて実践および評価を受け、改善を行う予定である。問題点としては、現時点ではそうしたフィールド数が十分ではないことがあげられる。そのため、平成24年度には協力を求める実践校、自治体を増やすとともに、十分な連携を進める関係づくりの必要がある。
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