統一後ドイツにおいては、「教育スタンダード(Bildungsstandards)」によるカリキュラム改革が進められてきている。本研究では、この「教育スタンダード」に基づくカリキュラム改革を理論的・実証的に検討した。具体的には、ドイツカリキュラム論に関する文献研究、州レベルでの学習指導要領(Lehrplan)改訂の分析、フンボルト大学IQB(教育制度における質的開発研究所)およびベルリン州の公立小学校でのフィールドワーク等を行った。その結果、(1)コアカリキュラムKerncurriculum論を議論の焦点としながらカリキュラム論が展開されている点、(2)州レベルの学習指導要領がコンピテンシーモデルに基づいて作成されつつある点、(3)子どもへの個別支援とコンピテンシー獲得に重点を置いた教育実践が行われっっある点、を明らかにした。
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