研究概要 |
本年度は,研究課題であるヴィゴツキーの一次資料の分析を行い,幼年期の発達とカリキュラムの基礎理論を構築した。本研究の成果としては次の点が挙げられる。 第一に、ヴィゴツキーの発達理論を手がかりとして、幼年期の子どもたちは発達的な「危機」をむかえる年齢期であり、それを踏まえるならば、就学にともなう彼らの戸惑いや困惑を保育者や教師は理解すべきである。第二に、学校文化を取り入れた模倣やごっこ遊びなどの活動をカリキュラムに組込むことにより、安易な早期教育に陥るのではない就学準備の在り方を構想することができる。成果は以下の通りである。 1,現在の幼年期カリキュラムにおいて,ヴィゴツキーがどのように位置づけられているのかをわが国と米国における受容形態を明らかにした。その成果は,日本教育学会第69回大会で"日本と米国におけるヴィゴツキーの受容に関する比較検討"と題して発表した。 2,カリキュラムに関して、『子どもの教育原理』について保育・幼児教育(就学前)と小学校におけるカリキュラムの基礎理論について概説した文章を執筆した。 3,幼年期カリキュラムに関して、基礎理論の成果発表の場として、平成23年3月に研究会を開催しその成果を発表した。また、保幼小連携に関連して調査研究を行い、その成果を中国四国教育学会第62回大会にて発表した。そして、現在、日本保育学会に本研究の成果を論文として投稿中である。
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