本研究では、ロシアの心理学者ヴィゴツキーの理論を手かがりとした、幼児期から児童期前期(本研究では以下、幼年期と標記)までのカリキュラムに関する理論的基礎を明らかにした。 第一に、児童学文献など一次資料の読解から、ヴィゴツキーは「7歳の危機」のなかで、就学移行期を発達の契機としてとらえ、過渡期的なモメントとして位置づけていたことを明らかにした。 第二に、ヴィゴツキーの危機のとらえ方、および、彼の最近接発達領域の概念をふまえるならば、就学期の子どもの困難1生と小学校への憧れを利用したカリキュラムの在り方が構想できることを明らかにした。 第三に、上記の2点を踏まえ、小学校の文化的道具などを用いた「学校ごっこ」プログラムを実施することを提起した。
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