研究概要 |
2009年度については,前期は京都府・京都市を訪問し,不登校支援ならびにひきこもり支援に焦点を当てつつ,自治体における子ども・若者行政の施策ならびにユース・ワークの人材養成の実態について,ヒアリングと資料収集調査を行った。特に京都市においては,不登校やひきこもりなど困難を抱えた子どもや若者たちを支援するため,全庁的な連携を図るべく,「子ども・若者総合支援プロジェクトチーム」をH21年11月より立ち上げ,子ども・若者を総合的・継続的に支援する体制をスタートさせていた点は,全国的に見ても先進的な取り組みとして評価できるものであった。 また,2009年度後期については,新潟県を訪問し,上越市では子どもの権利条例とその行動計画に基づいた子ども行政の統合の現状について,見附市においては教育行政,児童福祉行政,母子保健行政を教育委員会下において一元化した実践についてヒアリングと資料収集調査を行った。特に見附市の事例からは,母子保健を含めた子ども関係部署が教育委員会の中に一元化されることで,学校関係者と母子保健・児童福祉関係者との間で連携の深まりが進められているなどの成果が一定程度確認された。ただし,児童福祉については,児童福祉部署が以前まで設置されていた首長部局の関係部署とのフォーマル・インフォーマルなつながりが若干の弱まりを見せる可能性がある点が懸念されるところであった。 このほか,2010年度に予定している英国における子ども行政の一元化の動向の実態調査のための事前準備として,英国の就学前教育・保育,社会的排除対策,社会投資論に関する多数の洋書・和書等を入手し,論点の整理に努めた。
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