本研究は、保育所のおける異年齢の縦割りクラス編成が、障害のある子どもを含めたインクルージョン保育の展開にどのような形で影響しているのかを検討することを目的としており、最終年度にあたる今年度は、以下の3点について、重点的に調査ならびに検討を行った。 1つ目は、昨年度末に千葉市内で異年齢保育を担当している保育看全員を対象として実施した質問紙調査の集計・分析である。担当者の目線から異年齢保育の中で障害のある子が育つことのよさや難しさに関する、数多くのエピソードが集計された。 2つ目は、30年以上異年齢保育の形態を続けている、干葉市内の公立保育所へのフィールドワークによる調査である。前年度は、1か所の保育所に継続的にフィールドワークを実施し、異年齢保育の展開および子どもの姿、保育上の諸配慮の実際について、観察データを収集したが、今年度は、保育所の規模別にフィールドワーク先を3カ所に拡大し、規模によらない、異年齢保育という部分での共通性や普遍性等について検証を行った。また、フィールドワーク先の1つは、前年度からの継続で実施したため、気になる子どもを含めた異年齢保育の実際を縦断的に追うこともできた。 3つの目は、保育計画との関連についてである。フィールドワーク先の協力を得て、保育計画の内容および計画段階での障害のある子や気になる子への配慮等についてのデータを得た。 以上の結果やそこから得られた考察については、今後、論文等で順次発表していく予定である。
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