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2010 年度 実績報告書

アメリカのミュージアムにおける教育プログラムの公共性と民間資金に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21730660
研究機関独立行政法人国立美術館

研究代表者

横山 佐紀  独立行政法人国立美術館国立西洋美術館, 学芸課, 主任研究員 (70435741)

キーワードミュージアム教育 / アメリカ民主主義 / 公共性 / プライベート・セクター / ミュージアム・エデュケーション / 歴史教育
研究概要

本研究の目的は、プライベート・セクター(民間企業や財団)からの資金を得ているアメリカのミュージアムが、教育プログラムにおいて、教育機関としての公共性や自律性をいかに維持できるのかをケース・スタディによって明らかにすることにある。今年度は、本研究の中心的な事例であるワシントンDCのナショナル・ポートレート・ギャラリー(NPG)におけるプラベート・セクターによる教育プログラム支援のケース分析を中心に行った。具体的には、(1)これまでに収集した資料の整理、(2)関連文献の収集および精読、(3)資料調査(NPGライブラリーおよびスミソニアン協会アーカイブス)、(4)展示調査(NPG)である。その結果、ミュージアムが行う教育プログラムの意図(伝達しようとする価値)には、ミュージアム側の見解のみが反映されているのではなく、資金提供者であるプライベート・セクターの意向もまた含まれていること、プライベート・セクターは単なる資金提供者ではなく、教育プログラムなどのミュージアムの「コンテンツ」に直接に影響を及ぼしうるアクターとして位置づけられ得ることなどが考察された。一方、ミュージアム側は、プライベート・セクター側のある種の私的な意図に対して、自らの公共性を維持する必要がある。この点に関しては、文献収集を進めると同時に、ニューヨークのメトロポリタン美術館の教育普及担当者に聞き取り調査を行い、教育普及プログラムの資料やデータ収集を行った。聞き取り調査の結果、ミュージアム側は、実施する教育プログラムの目的に合った財団に協力を依頼しており、ミュージアム側も資金提供者側の意図を諮りながら、戦略的に資金源にアプローチしていることが現時点では推測される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 歴史ミュージアムとプライベート・セクターのポリティクス-ジョージ・ワシントン像《ランズダウン》収蔵の経緯から-2011

    • 著者名/発表者名
      横山佐紀
    • 雑誌名

      アメリカ研究

      巻: 45 ページ: 117-135

    • 査読あり
  • [学会発表] ミュージアムとプライベート・セクターのポリティクス:ジョージ・ワシントン像を事例に2010

    • 著者名/発表者名
      横山佐紀
    • 学会等名
      全日本博物館学会
    • 発表場所
      明治大学駿河台キャンパス
    • 年月日
      2010-06-13
  • [備考] 本研究成果を内容の一部に含む博士論文『ナショナル・ポートレート・ギャラリーにおける思想・歴史・教育』を2010年5月に名古屋大学大学院教育発達科学研究科に提出、審査を受けた。2011年4月に合格し博士号を取得した。

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公開日: 2012-07-19  

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