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2011 年度 実績報告書

教育達成過程における家庭背景の影響再考

研究課題

研究課題/領域番号 21730662
研究機関九州大学

研究代表者

荒牧 草平  九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (90321562)

キーワード相対的リスク回避仮説 / 文化資本論 / 社会階層 / 教育機会の不平等 / 計量社会学 / IEOモデル / 1次効果・2次効果
研究概要

本年度の研究実施計画に基づき、主としてブルデューの文化的再生産論および合理的選択理論に依拠した過去の諸研究のレビューをふまえ、それらを実証的に検討する適切な方法について検討するとともに、それらの知見を適切なデータセットに適用して分析することを試みた。
研究の主な知見を、裏面に記した研究成果と対応させて以下に述べる。
「高校生の教育期待形成における文化資本と親の期待の効果」では、ブードンの枠組を適用した教育達成過程の理論的・実証的研究の再検討に関する昨年度までの成果をふまえ、文化資本論の理解を新しい観点から検討することを試みた。その結果、文化資本の1次効果ばかりでなく2次効果に着目する必要があること、その2次効果は親の教育期待を反映している可能性が高いことなどが明らかとなった。
「現代の階層社会1」および「教育達成における階層差の発生メカニズム」では、これまでの成果をふまえて、教育達成過程の階層差を改めて把握し直すとどもに、階層差の生成メカニズムをとらえる、新しい枠組として「教育的地位志向モデル」を提案した。
なお、年度の半ばからは、家族社会学会の実施した第3回全国家族調査、(NFRJ08)のデータを用いた分析に着手し、教育達成の階層化に関する、従来の研究枠組を再検討することも試みた。その結果、「学歴の家族・親族間相関に関する基礎的研究」および2つの学会発表で示したように、教育達成に対する拡大家族の独自な影響が存在することを明らかにし、核家族の枠内に留まってきた従来の階層研究の枠組を見直す必要性に言及した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 教育達成における階層差の発生メカニズム:『教育的地位志向』モデルによる解釈の試み2012

    • 著者名/発表者名
      荒牧草平
    • 雑誌名

      九州大学教育社会学研究集録

      巻: 13(印刷中)

  • [雑誌論文] 高校生の教育期待形成における文化資本と親の期待の効果:『文化資本』概念解体の提案2012

    • 著者名/発表者名
      荒牧草平
    • 雑誌名

      九州大学大学院教育学研究紀要

      巻: 14 ページ: 97-110

  • [雑誌論文] 学歴の家族・親族間相関に関する基礎的研究:祖父母・オジオバ学歴の効果とその変動2011

    • 著者名/発表者名
      荒牧草平
    • 雑誌名

      第3回家族についての全国調査(NFRJ08)第2次報告書(稲葉昭英・保田時男(編))

      巻: 4 ページ: 45-60

  • [学会発表] 教育達成における親族学歴の効果-祖父母・オジオバ学歴に着目して2011

    • 著者名/発表者名
      荒牧草平
    • 学会等名
      日本教育社会学会第63回大会
    • 発表場所
      お茶の水女子大学
    • 年月日
      2011-09-23
  • [学会発表] 学歴の家族・親族間相関に関する基礎的研究-祖父母・オジオバ学歴の効果とその変動-2011

    • 著者名/発表者名
      荒牧草平
    • 学会等名
      第21回日本家族社会学会大会
    • 発表場所
      甲南大学
    • 年月日
      2011-09-11
  • [図書] 現代の階層社会1-格差と多様性(佐藤嘉倫・尾嶋史章編著)2011

    • 著者名/発表者名
      荒牧草平
    • 総ページ数
      330
    • 出版者
      東京大学出版会

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公開日: 2013-06-26  

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