本研究は、研究代表者による中国大陸の学校制度研究を土台にして、香港、マカオ、台湾、シンガポール、マレーシアという中華圏の6つの国・地域を対象に、同じ文化的背景、異なる社会的背景の中で、どのような学校制度を構築しているのかを明らかにすることをめざした。本研究の成果として(1)各国・地域の学校制度の現状を明らかにしたこと、(2)小学校に英語を導入するという各国・地域共通のテーマについて、各国・地域の教育的背景によって対処方法が異なり、そこから教員確保や格差、さらに民族問題など、さらに深い問題を生じさせていることが確認できたこと、(3)これらから学校制度の比較は、形式的な比較だけでなく、新たな事象が生じた際の対処方法も変えていくものという視点が重要であることが確認できたこと、があげられる。
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