H21~H22年度には、タイとマレーシアにおける男女間教育格差に関する現状と背景について文献調査により整理するとともに、訪問調査を実施してきた。具体的に、タイ(2009年8月下旬、RIHED、AUN、チュラロンコーン大学、アサンプション大学、マヒドン大学ほか)において、高等教育の国際戦略と留学生移動の全体像に関するヒアリングを行った。また、マレーシア(2010年3月中旬、マレーシア国民大学、ペラ州中等学校ほか)では、女子高校生の留学意識に関する調査の実施可能性を関係教員に打診した。さらにマレーシアでは、高校から大学への接続(高大接続)および大学から就職への接続時の留学生を対象とする実地調査に従事し、成果を公表した。これらマレーシアとタイで収集した文献資料の調査結果を、アメリカ比較・国際教育学会と日本国際教育学会で報告した。 昨年度は、研究代表者が産休と育休を取得したことにより研究を中断することとなった。 H24年度には研究を再開したものの、育児と所属校の異動により海外調査に赴くことが困難であったため、過去2年間で実施した調査データをもとに、国際的な留学生移動の全体像をまとめ、結果を公表することに努めた。また、日本国内におけるアジアからの留学生に対するインタビュー調査を実施し、学生移動の全体像と個別のキャリア形成の特徴を示した。これらのデータ収集と分析に際して、早稲田大学アジア太平洋研究科の留学生の支援を得た。 本年度は、日本比較教育学会、アジア比較教育学会(CESA)等で成果を公表した。補足的に、他の科研と連携しながら、ブルネイにおける市民性教育の現状と課題を論文にまとめ公表した。現在、英語論文の執筆に向けて準備をしているところである。
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