本研究は、韓国の社会問題の一つである「雁(かり)パパ」に関する縦断的研究を通して、韓国の教育政策をめぐる現状と問題をより明確に究明し、新たな教育政策の模索における提言を試みるものである。 平成21年度においては、関連文献の収集作業とともに、教育現実における問題をより明確に究明していくための量的・質的調査データを収集することを主な研究活動とした。まず、韓国の大学生に対する量的調査(予備調査:49名、本調査:150名)を通して、教育現実における意識を探った。結果、韓国の学校教育における英語の重要度、早期留学の背景にある教育現実における問題などを窺うことが出来た。一方、初等・中等教育の子女を持つ親139名に対する量的調査と、計5名の質的調査を行い、子どもの教育に対する親の意識も窺うことが出来た。それらは、「教育熱」「英語中心」「入試戦争」「詰め込み教育」「教育格差」などのキーワードとして表すことが出来る。収集したデータの更なる分析とともに、より質的調査のデータを加えていくことで、研究成果を発表出来る形にしていくことが次年度に向けた課題である。
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