研究概要 |
本研究では,アメリカ市民性教育(初等教育,中等教育,高等教育)におけるオーセンティック・アセスメントの評価実践について,「教科書及び関連教材における記述内容」「授業実践内容」「学習者の認識変容分析」の三つの観点から調査を行った上で,以下の点を明確にすることを目的としている。なお,アメリカを調査対象とするのは,オーセンティック・アセスメントと呼ばれる最新の評価理論が生まれた土地がアメリカであり,評価に関する議論もアメリカで最も活発に行われているからである。研究の手続きは,以下の通りとした。 (1)オーセンティック・アセスメントにおける授業の目標はどのように構成されているのか。(目標構造の抽出) (2)その目標を達成するために,どのような授業が組まれているのか。(授業構成理論の抽出) (3)その授業では,学習成果の評価の仕組みがどのように組み込まれているのか。(評価手法の分析) (4)評価の結果得られた情報は,具体的にどのように分析されているのか。またその分析ツールはどのように開発されているのか。(情報の分析手法の検討) (5)評価情報は授業や学習者の学びにどのようにフィードバックされているのか。(情報の利用方法の検討) (6)(1)→(2)→(3)→(4)→(5)という研究手続きをとることで,評価実践に内在されている評価原理を明らかにする。また複数の事例を同じ研究方法論で分析することにより,評価原理の類型化を行う。
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