• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

探究的な算数・数学の授業における推測の段階に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21730686
研究機関新潟大学

研究代表者

和田 信哉  新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (60372471)

キーワード数学教育 / 探究的な授業 / 図式的推論 / アブダクション / 記号論
研究概要

本研究は,探究的な算数・数学の授業を考案することを最終的なねらいとしている。探究的な算数・数学の授業とは,推測の段階と正当化の段階のサイクルから成る授業であり,子どもが能動的にそのような思考を行う授業のことである。推測の段階では,アブダクションが重要な役割を担っているけれども,そのとらえ方や意義,機能が明確になっているとは言い難い。これらの点を明確にすることが,算数・数学の授業を考案する際の基盤となるであろう。
そこで本研究は,探究的な算数・数学の授業における推測の段階に焦点を当て,アブダクションを観点とした算数・数学の授業の分析を行うことで探究的な授業における推測の段階への示唆を得,それに基づいた授業の構成及び実践的検討を行うことを目的とする。
本年度は,この研究の一環として,主に文献解釈・授業分析によって推測の段階の分析を行った。特に,アブダクションの提唱者であるパースの「図式的推論」の概念に基づいて,実際の数学の授業(因数分解)を記号論的に考察することにより,次の二点を明らかにした。
一つは,図式的推論における観擦の段階で,「受け入れられない経験」が生じるときがあり,そのような経験によってアブダクションが生じ,推測の段階を乗り越えて正当化の段階へと進む契機となりうるということである。したがって,受け入れられない経験が,探究的な算数・数学の授業においては重要な位置を占めるということが示唆される。
二つは,受け入れられない経験によって生じるアブダクションには,変容と翻訳という二つの種類があり,それぞれの特徴が異なるということである。前者は,図式的推論にける実験の段階を見直し,図式に対する解釈を変えることであり,後者は,図式的推論における図式そのものを見直し,新しい表現を導入することである。これらの特徴をふまえ,推測の段階を構成する必要があることが示唆される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 図式的推論を生かした数学の学習過程に関する研究2009

    • 著者名/発表者名
      山本貴之, 和田信哉
    • 雑誌名

      日本数学教育学会 第42回数学教育論文発表会論文集 42巻

      ページ: 787-792

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi