生徒の主体的な英文読解を促す教師発問をどのように考案すればよいかその指導方略を提案するという目的のもと、リーディング指導を中心とした英語授業の中で、どのように発問を教師が作成し実施すればよいかを明示的に提示した。具体的には、発問を「生徒が主体的に教材に向き合うように、授業目標の達成に向けて計画的に行う教師の働きかけ」と定義し、発問作成上の教師の作業として、1. 授業における発問の役割を理解する、2. 教材である英文テキストの特徴(主題、テキストタイプ、表現、論理構成、トピック、挿絵など)を捉える、3. 生徒の実態(クラスの実態および生徒の読みの実態)を把握する、4. 指導目標を設定する、といった点が効果的な発問を作成する上で重要であることを指摘した。リーディング指導の中で発問を行うためのステップとして、リーディング指導を、1. 導入の段階(教材に対する生徒の心を開く)、2. 理解の段階(メッセージの正確な理解を促す)、3. 思考の段階(主題を通して読みを深める)、4. 表現の段階(本文内容をもとに表現させる)という4つの段階に分け、それぞれの段階の特徴を押さえた発問のあり方について考察した。そして、リーディング指導における優れた発問作成の原則を、1. 本質性を高める、2. 間接性を高める、3. 意外性をもたせる、4. 多様性を引き出す、5. 偶然性を活かす、の5つのポイントにまとめ、これらのポイントをもとにした発問を中心にしたリーディング指導の授業モデルを提示した。
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