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2009 年度 実績報告書

感覚の働きによる意味生成としての学びの実現を目指す美術教育のカリキュラム開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 21730689
研究機関山梨大学

研究代表者

新野 貴則  山梨大学, 教育人間科学部, 准教授 (60353380)

キーワード図画工作科教育 / 美術科教育 / 意味生成 / 感覚 / 知覚 / カリキュラム開発
研究概要

本研究の目的は、子どもの形や色との感覚を通したかかわりから展開する造形活動を意味生成としての学びとしてとらえ、これを実現する教育実践へ向けて、題材開発の視点を構築することである。この研究の目的を達成するために、21年度は、図画工作・美術教育における意味生成としての学びの根拠として子ども自身の感覚を置き、その論理の構築を目指した。平成20年度に改訂された学習指導要領では、新たに「共通事項」が設定され、その中で子どもの感覚を働かせることを指導事項として明示している。このことも踏まえ、表現や鑑賞の活動における感覚の働きについて論理的に整理する。その過程では、主にベルクソンやメルロ=ポンティ等の感覚に関する論考を手がかりとした。それらからは、まず第一に、物質的なものが身体の感官を刺激し、それを意識できることが感覚することなのではなく、私たちの運動に基づいて感覚が働くという基本的な視点を得た。そのうえで、知覚世界のつくりかえについて、潜在的な過去の収縮に基づく知覚-記憶のメカニズムから、また、新たな習慣の獲得による身体図式(感覚)の組み換えから検討することができた。さらに、感覚を知覚的な側面と感情的な側面にとらえ、感情的な側面から知覚的な側面を変容させるメカニズムについて検討し、意味生成としての学びが実現する授業実践における感覚の働きの論理を整理する手がかりを得ることができた。これらの成果をもとに、図画工作科や美術科の授業実践において子どもの感覚の働きをとらえる視点を論理的に整理し、論文をまとめる予定である。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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