本研究の全体構想は、「課題追究学習」を主軸とした総合的な学習を継続的に行っている高校を比較し、共有可能な高校の総合的な学習の実践モデルを提示することである。今年度の実績は、主に次の5点である。 (1)高等学校の総合的な学習の実態把握のため、総合的な学習の一貫としてキャリア教育を計画的に導入した高等学校を中心に、教員へのインタビュー調査を試みた。 (2)名古屋大学教育学部附属高等学校を卒業生の追跡インタビュー調査から、課題追究学習による価値形成と進路選択との関連について抽出した。また、課題追究学習における主体的な学びに焦点をあて、その一例として主体的な学習が行われる青年の研修場面を取り上げ、抽象的な価値形成の過程に焦点を当てて分析した。 (4)国内学会〔日本教育工学会第26回研究大会(於:金城学院大学)、日本教育方法学会第50回大会(於:国士舘大学)等]や国際学会[CSSE Annual Conference 2010(於:カナダ)]に参加し、日本国内及び諸外国の研究者との交流を通して、総合的な学習や青年期の教育に関する情報を収集し、これまでの研究成果を発表し意見交換をしだ。 (5)青年期の価値形成に関する研究成果は「CSSE Annual Conference 2010(於:カナダ)」にて報告し、その他の研究成果については、平成23年度の発表に向け論文執筆中である。 (6)調査内容を反省的に振り返り、3月に翌年度の研究計画を調整し、4月からすぐに調査に入れるように準備をした。
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