研究概要 |
本研究では,子どもたちが教師なしで相互作用的に問題を解決する過程を,小学生から大学生までの集団を対象として調査した.初年度は計10 グループで数学の問題解決過程を,翌年度は計6 グループで,必ずしも正解が一つに決まらない日常場面の問題解決を調査した.数学の問題解決においては,情報処理の失敗やお互いのコミュニケーション不足による相互交渉の失敗による非成功的な解決はあるものの,多様な共有の型をもって成功的な解決に至っていた.また,数学的な問題解決は,課題の条件設定や解決の方針ならびに判断基準の設定など適宜,変更されながらの解決であり,修正・改善を基本とする活動であった.こうした活動は,「協調的な学力」を目指した取り組みには極めて重要である,
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