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2011 年度 実績報告書

読むことの学習において類似性に基づいた推論を促す手だてについての研究

研究課題

研究課題/領域番号 21730703
研究機関京都教育大学

研究代表者

寺田 守  京都教育大学, 教育学部, 准教授 (00381020)

キーワード類推 / 小集団討議 / 間テクスト性 / 読むことの学習指導 / 国語科教育
研究概要

本研究は,国語科読むことの学習において,類似性に基づいた推論を促す手立てを開発することを目的としている。類推が教室の中で用いられる場合に,学習者の読むという行為にどのような役割を果たすのか,という問いについて,次の3点の知見が得られた。(1)類推は解釈方略であると同時に読書経験を拡張する方略であるということ。(2)類推が成功するには参加者に類推と認知され承認される必要があること。成功した類推は持ち込んだカテゴリーを強調することになるということ。(3)類推を促すためには学習者の選択と貢献とが尊重される共同的な学習環境が必要であるということ。
これを踏まえ,類推を促す手立ての開発を行った。兵庫県丹波市立氷上中学校1年生の教室において,小集団で一文を読む学習を組織した。また,沖縄市立美原小学校,沖縄市立美里中学校における小集団の授業を観察した。類推を促す手立てとして四つのコツを学習者に与えた。(a)言葉の削除による意味の変化(この言葉があるのとないのとでは,意味がどのように変わりますか)。(b)類義語への置き換えによる意味の変化(AとBとでは意味がどのように変わりますか)。(c)動作化・映像化による意味理解(今ここでしてみてごらん,どういう光景か思い浮かべてごらん)。(d)自分の経験との関連づけによる意味づけ(これと似た経験はありますか)。
検証の結果,こうした学習活動が類似性に基づいた推論を促し,さらに次のような効果を生むことがわかった。(1)異議申し立てが類推を促し,対話の中で言葉の意味を吟味することが学習意欲を刺戟するということ。(2)テクストの部分の解釈と全体の解釈とは相互に依存する相補的な関係であり,同時に排他的な関係の読書行為であること。(3)小集団で一文を読む学習活動は類推の<活用>場面になること。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 「空中ブランコ乗りのキキ」で学んだ後に2011

    • 著者名/発表者名
      寺田守
    • 雑誌名

      三省堂国語教育ことばの学び

      ページ: 12-13

  • [雑誌論文] 読解のコツー「紅鯉」(丘修三)の一文を読む2011

    • 著者名/発表者名
      寺田守
    • 雑誌名

      三省堂国語教育ことばの学び

      巻: 25 ページ: 22-23

  • [学会発表] 文学教材の学習指導2012

    • 著者名/発表者名
      寺田守
    • 学会等名
      京都国語教育アセンブリー
    • 発表場所
      京都JA会館(京都府)
    • 年月日
      2012-03-24
  • [学会発表] 解釈を巡って対話する文学の授業-小集団で一文を読む-2011

    • 著者名/発表者名
      寺田守
    • 学会等名
      全国大学国語教育学会
    • 発表場所
      高知大学(高知県)
    • 年月日
      2011-10-30
  • [図書] 読むという行為を推進する力2012

    • 著者名/発表者名
      寺田守
    • 総ページ数
      390
    • 出版者
      溪水社
  • [図書] 文学教材の解釈2011

    • 著者名/発表者名
      寺田守
    • 総ページ数
      135
    • 出版者
      京都教育大学国語教育研究会
  • [図書] 特別支援教育ハンドブック2011

    • 著者名/発表者名
      京都教育大学附属教育支援センター, 機構特別支援教育臨床実践センター
    • 総ページ数
      74-75(117)
    • 出版者
      クリエイツかもがわ

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公開日: 2013-06-26  

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