研究課題/領域番号 |
21730704
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
山口 剛史 琉球大学, 教育学部, 准教授 (20381197)
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キーワード | 沖縄戦 / 平和教育 / 社会科教育 / 戦争遺跡 / 教材開発 |
研究概要 |
2011年の成果は次のようなものである。まず教材開発という点では、「西表島にも戦争があった」として西表島にある「竹富町立船浦中学校」において平和学習特設授業を実施させていただいた。そこでは、西表島の住民避難の様子や戦争遺跡調査の結果をおりまぜたワークシートを作成し、全校生徒に対し実施した。そこでの生徒の感想、教師のコメントを改善材料として活かしていくこととしている。これは、研究の重要な観点である「離島における戦争遺跡を活用した教材」という点で、最新のデータを用いた教材の可能性をもった。もう一つは、「石垣市立八島小学校」において沖縄本島修学旅行の事前学習として特設授業を実施させていただいた。ここでは、「当事者性」というキーワードで戦争体験者の「伊佐順子」氏の体験を教材化し、離島の子どもたちが沖縄本島の地上戦についてイメージしやすいように工夫した。これは「1~2時間でできる沖縄戦教材」の具体化であり、さきほどのものが中学校における実践に対し、こちらは小学校向けの教材ということで、それぞれの学校種におけるこれらの実践をもとに教材の手直しを行っていきたい。 もう一つの成果が、これまで西表島の戦争遺跡についての調査結果を論文としてまとめ、いくつかの研究会で報告してきた。論文としては、琉球大教育学部紀要に「離島における平和教育教材開発研究II-戦争遺跡"西表島「崎山望楼」移籍の実態と現状"-」としてまとめた。この内容は、「沖縄考古学会2011年9月定例会」ならびに「沖縄・八重山文化研究会2011年11月定例会」にて報告された。これまで「戦跡考古学」の分野においても紹介されてこなかった「崎山望楼」について具体的な遺跡の現状が報告されたことは、沖縄県における戦争遺跡研究に貢献する重要なものであったと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
年度内に病気入院があり、教材の手直しならびにまとめの作業を行うことができなかったことが大きな原因である。できるかぎり、調整し最終年度に成果をまとめられるようにしたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
24年度は最終年度として計画にある「教材集」の発行のため、23年度に行われた実践の改善ならびに実験授業による実践研究をすすめる。
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