研究概要 |
若年者(18歳から22歳)を対象に、希望の保有とキャリア形成およびキャリア選択の関連性について2,103名に質問紙調査を行い、希望を保有している若年者は82.1%と高い割合であった。若年者が捉える希望について自由記述法を用い、KJ法に基づいて分類した結果、「明るさ」、「行動的」、「認知」、「豊かさ」、「活力」、「対人関係」の6つに分類された。次いで、希望をもつ若年者を対象にキャリア形成およびキャリア選択における動機づけや生育環境について調査したところ、友人の数、家族からの期待、家族からの愛情等の関連性があり、特に希望を生み出す精神的・手段的指示が得られる人的手段としての「対人関係」、(相関係数α=.91)、希望の発生と希望の維持・促進につながるものとしての「活力」、(相関係数α=.88)と有意な傾向を示した。さらに、インタビュー調査から希望を保有しているポジティブな未来志向をもっている若年者は、希望が失望しても辛く苦労した経験をふまえて次への新しい希望へと柔軟に修正できることが明らかとなり、自分のことを評価してくれたり期待してくれたりする人や自分と異なる情報をもっている人とのつながりをもつことで、早期離職の予防につながることが確認できた。
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