研究課題/領域番号 |
21730713
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
菅野 和恵 筑波大学, 人間系, 講師 (80375451)
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キーワード | 特別支援教育 / 教育心理学 / 知的障害心理学 / ダウン症候群 / 作文表現 |
研究概要 |
ダウン症候群は、知的発達の遅れ(知的障害)を伴う染色体疾患である。ダウン症候群においては、リテラシー(読み書き能力)を育てることの有効性が指摘され、その習得が言語機能、中でも発話能力や構音を改善させる可能性や、言語発達支援における効果的なツールとなることが論じられてきた。また、リテラシーを育てることは、言語的な能力の促進だけでなく、読書などの文化的な世界への接点、作文や手紙、日記など自分自身を表現することや、他者とのつながりを持つための手段となることもあり、ダウン症者本人の生活の質を高めることにもつながると考えられる。リテラシーは、読む能力と書く能力の総称であるが、ダウン症候群の書記リテラシー、中でもあるまとまりをもつテキストを産出するような作文表現に関する特徴や発達に関する報告は非常に限定的である。支援方法の立案するためには、評価法を精査した上でダウン症候群の作文表現の発達を明らかにすることが求められる。 平成23年度は、ダウン症児・者の作文表現に関する研究動向についての基礎的研究として、関連文献・資料の収集、研究打ち合わせを行うとともに、事例研究を継続して行っている。事例が作成した作文を収集し、その発達的変化を検討している。また、事例研究に基づき、支援プログラムの開発検討を行った。支援プログラムは、STEP1~STEP5までなり、概要は、STEP1:読解力を育てる、STEP2:表現力を磨く、STEP3:絵や写真をみながら日記を書く、STEP4:日記を書く、行事の感想文を書く1、STEP5:日記を書く、行事の感想文を書く2(文章の推敲)である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査実験研究は、データ数が十分に集まらないため若干遅れている。しかし、事例研究については、継続的な支援機会を設定しているため、順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
ダウン症候群の作文表現の支援プログラムを開発し、その評価を行う。調査実験研究の遂行にあたり、データ数が十分に集まらない場合は、事例研究の内容を深めることとする。
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