本研究の目的は、自閉症スペクトラム障害(ASD)に対するバーチャルリアリティ・テスト(VRT)の有用性を確立することである。ASD児34名、健常群70名にVRTを施行し、 健常群において、信頼性が確認された。VRT得点では、ASD群と健常群に有意な差が認められた。 健常群において、 8‐9歳群は、14‐15歳群、16‐18歳群と比較して得点が有意に低かった。また、ASD群において、心の理論課題の一次の誤信念課題を通過できない群は、一次の誤信念課題を通過できる群、 二次の誤信念を通過できる群と比較して、得点が有意に低かった。以上の結果から、本検査の信頼性と妥当性が確立されたと言える。
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