研究概要 |
エディンバラ大学のGwyn Bellamy氏との共同研究により、ハイパートーリック多様体と呼ばれるシンプレクティック構造を持つトーリック多様体の上に変形量子化代数と呼ばれる代数の層を構成した。その層を用いてMusson, Van der Burghによって導入された非可換代数の超局所化が得られることを証明した。特別な場合として巡回群に対する有理Cherednik代数あるいはA型のsubregular冪零元に付随する有限W代数と呼ばれる代数の超局所化が得られる。この場合にはその超局所化はA型クライン特異点の極小特異点解消上の代数の層である。[1] また巡回群に対する有理Cherednik代数の標準加群・既約加群の超局所化をA型クライン特異点上の変形量子化代数の加群の層として構成した。これらの加群の層はあるラグランジュ部分多様体に台を持つ確定特異点型微分方程式系の超局所類似となる。変形量子化代数の表現論への応用という点でこの研究結果に類似の研究は他にない。[2] 上述の研究成果により、研究計画における1年目の計画のほぼ全てにおいて肯定的な成果が得られた。論文の投稿は現在準備中である。 [1] G.Bellamy and T.Kuwabara, W-affinity of deformation-quantization algebras on hypertoric varieties, in preparation. [2] T.Kuwabara, Representation theory of the rational Cherednik algebras of type Z/IZ via microlocal analysis, preprint arXiv : 1003.3407vl[math.RT].
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