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2011 年度 実績報告書

テータ写像が結ぶ保型形式と代数的組合せ論の有機的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21740021
研究機関高知大学

研究代表者

大浦 学  高知大学, 教育研究部・自然科学系, 准教授 (50343380)

キーワードE-多項式 / 不変式 / モジュラー形式 / Eisenstein級数
研究概要

整数環上のシンプレクティック群をテータ関数に作用させることにより、有限群が得られる。この有限群の不変式環とジーゲルモジュラー形式の関係は、Broue-Enguehardに始まり、Hermann,Duke,Rungeらにより明らかになった。この対比は有限の世界と無限の世界をうまく表しており、ジーゲルモジュラー形式と代数的組合せ論の豊潤な結びつきをもたらした。
歴史的に見るとジーゲルモジュラー形式が長い歴史をもっており、多くの研究がなされてきた。上の有限群、およびその不変式環は代数的組合せ論、更に詳しく符号理論や格子の理論との結びつきが知られており、我々のこれまでの研究は代数的組合せ論(有限の世界)をジーゲルモジュラー形式(無限の世界)に応用する形でなされてきた。
E-多項式は上の有限群の特別な不変式である。細かい定義は省略するが、この不変式がジーゲルモジュラー形式の理論におけるEisenstein級数に対応するものとして私が定義したものである。この不変式にある種のテータ関数を代入することにより、ジーゲルモジュラー形式が得られるが、一般にEisenstein級数そのものは得られないことに注意する。今年度は、種数1の場合にこのE-多項式から得られるモジュラー形式の零点について考察し、Eisenstein級数と似通った性質をもっているという観察を行った。ただし、現段階では一般には証明されていない。どのような性質かというと、零点が基本領域の半径1の部分にあること、分離定理と呼ばれる零点の配置状況、フーリエ係数がp-整数になる、ということなどである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

E-多項式の持つ性質として、モジュラー形式としてEisenstein級数と似通った性質を持ちそうだという考察に行き当ったのは、当初は考えていなかったことである。E-多項式の意味を与えるものだと思われる。

今後の研究の推進方策

E-多項式について、多項式、ジーゲルモジュラー形式として、二つの面の性質を明らかにしていく。また、ジーゲルモジュラー形式については、古典的な不変式からのアプローチ、微分作用素を用いたアプローチなどを利用し、ジーゲルモジュラー形式のなす環の構造を明らかにしていく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Some consequences of the work of Nebe-Rains-Sloane2011

    • 著者名/発表者名
      大浦学
    • 学会等名
      Workshop "Lattices, codes and modular forms"
    • 発表場所
      Aachen(ドイツ)
    • 年月日
      2011-09-28
  • [備考]

    • URL

      http://www.math.kochi-u.ac.jp/oura/index.html

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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