まず、C.LeBrunによって構成されたツイスター空間上の線形系について、その構造(次元、底点集合、その解消、一般元の構造、付随する有理写像の構造)をほぼ完全に決定した。これによりこのツイスター空間の代数幾何的な構造がほぼ完全に明らかになった。またこの研究はより一般の代数的ツイスター空間を調べるための下準備も意図している. 次に、上記LeBrunツイスター空間の退化について研究を行い、4次元多様体の符号数が1下がるときにツイスター空間で起こっていることを幾何的に明確にした.また、orbifoldに退化するときの状況を調べた。さらにGibbons-Hawking計量のツイスター空間(N.Hitchinによって構成されたもの)とLeBrunツイスター空間(のZariski開集合)が複素構造の変形でつながっていることを、族を具体的に構成することによって示した。このことは微分幾何学的な観点からするとある程度予想されていたことだと思われるが、厳密な証明は与えられていなかった。 また、LeBrunの自己双対計量で二次元トーラスの作用をもつものが、D.Joyceによって構成された自己双対計量と共形同値であることを、ツイスター空間を使わずに証明した。(Jeff Viaclovskyとの共同研究。)このことはJoyceの論文で言及されていたが、証明は与えられていなかった。
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