1. Matthias Weber氏との共同研究で、3重周期的な極小曲面の研究を行った。Weierstrass dataに楕円テータ関数を用いることで古典的な例から夫知の例まで統一的に扱うことができるようになった。また構成した全ての例で曲面の1径数族まで具体的に与えることができた。 2. Wayne Rossman、梅原雅顕、山田光太郎、Seong-Deog Yang各氏との共同研究で、3次元Minkowski空間内の空間的極大曲面とその特異点の研究を行った。ジェネリックに現れる3種類の特異点と錐的特異点を同時にもつ曲面の存在や、任意種数で2つのエンドをもつ曲面の存在を証明した。また、それらの曲面を変形して3次元de Sitter空間内の平均曲率1曲面として実現した。 3. Francisco J.Lopez氏との共同研で、3次元Minkowski空間内の向き付け不可能な極大曲面に関する研究を行った。このような曲面は、既に知られている3次元Euclid空間内の向き付け不可能な極小曲面と類似のWeierstrass dataから構成することができるが、周期問題は大きく異なり、またガウス写像の次数など曲面の大域的な性質は極小曲面と大きく異なることがわかった。 4. 圧田敏宏氏との共同研究で、3次元Euclid空間内の極小曲面で2つのエンドをもつものの研究を行った。エンドが2つで種数のある極小曲面で、Osserman不等式の最良の評価を与える例を構成した。
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