研究概要 |
曲面上に現れる優決定系(過剰決定系)の二つの一般化を考察した. 1.Mをm次元多様体とし(m≧2),θ_0,θ_1,…,θ_nをM上の1形式とする(n∈N).このとき「多項式型の優決定系」df=Σ_<o≦i≦n>f^iθ_iは曲面上に現れる優決定系の一般化の一種である.多項式型の優決定系がMの各点で異なる値をとるp個(1≦p≦n+1)の解を持つとき,これらが解であることがわかるような系の表現方法を開発した.特に,p=n+1の場合には,各θ_iはn+1個の解によって表される.多項式型の優決定系の整合条件は各θ_iを組み合わせて得られる幾つかの2形式がM上で零であると表現される.n=2で系の2個の解が与えられている場合に系の整合条件を記述し,特にもう一つ別の解が存在するならば系は整合条件を満たすことがわかり,また曲面上に現れる優決定系の2個の解が与えられている場合の整合条件の一般化となっていることがわかった,またnが3以上の場合系が整合条件を満たさずかつn+1個の解を持つことが有り得るが,この場合の整合条件をn+1個の解で記述した. 2.m=2とする.D_1,D_2はM上の滑らかな1次元分布で,Mの任意の点でD_1≠D_2を満たすとする.ωをM上の1形式とし,ΩはM上の2形式でMの任意の点でΩ≠0を満たすとする.(u,v)はMの1点の近傍上の局所座標系で(D_1,D_2)と相性が良いとする.ω,Ωをそれぞれω=-Jdu+Idv,Ω=ρdul/dvと表すとき,F_u=(logρ^2)_u+(2I/ρ)e^F,F_v=-2Jρe^<-F>という型の優決定系は曲面上に現れる優決定系の一般化の一種である.この型の優決定系が解を持つための必要十分条件,整合条件を満たすための必要十分条件,ちょうど二つの解を持つための必要十分条件等を得たが,いずれも曲面上の優決定系に関して今までに得られている結果の証明を参考にして得られた.
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