研究概要 |
私はRiemann面の複素構造の違いに興味を持ち,研究を行っている.調和体積は,調和1形式に関するChenの反復積分を用いてHarrisにより定義され,複素構造のみに依存して決まる.調和体積を調べることにより,複素構造の違いを知ることが当面の目標である. 以下の研究成果に関する論文をまとめ,投稿した.Nをある条件を持つ素数とする.N次Fermat商曲線の調和体積を求めることにより,そのヤコビ代数多様体におけるCeresaサイクルの非自明性を示す十分条件を発見した.Mathematicaにより数値計算を実行し,1000以下のNに対してCeresaサイクルが非自明であることを示した. 国内の研究集会および国外の研究集会2つに参加し研究者と議論を交わしたが,その際の旅費を科研費から捻出した.3つの研究集会で講演を行った.また,Riemann面のモジュライ空間のWeil-Petersson体積に関する研究を始めた. 本研究を進めるためにRiemann面,トポロジー,複素解析に関連する書籍を適宜購入した.
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