• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

レース展開の発展とその前衛的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21740059
研究機関北海道大学

研究代表者

坂井 哲  北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (50506996)

キーワードレース展開 / 高次元臨界現象 / 自己回避歩行 / パーコレーション / コンタクトプロセス / イジング模型
研究概要

高次元における平均場臨界現象を数学的に厳密に証明することができる数少ない手法の一つが「レース展開」である.我々はレース展開の適用範囲を広げるべく,平成23年度は以下3つの課題を中心的に研究し,より深い臨界現象の理解を獲得することを目指した.
(1)長距離2体相互作用の導入による臨界現象への影響について.
Fu-Jen Catholic UniversityのChen教授との共同研究.冪的に減衰する長距離2体相互作用を導入すると,その冪指数の値に依存して,臨界現象が「退化する」(すなわち「平均場的になる」)限界の次元が下がり,臨界2点関数のスケーリング極限も「ブラウン運動」から「安定過程」へと移行するだろうと予想されている.これを証明したい.現在までに相当の傍証が集まっていて,近い将来結実するものと考えている.
(2)超臨界相パーコレーションのレース展開について.
九州大学の原隆教授との共同研究.これまでのレース展開の手法では,「超臨界相」側から見た臨界現象を解析することができなかった.様々な技術的問題があることが分かってきたが,それらは全て,我々が未だに「真の超臨界相の描像」を獲得していないことに因るものと考えられる.これは非常に重要な問題で,現在も共同研究を継続中である.
(3)ランダムな環境下の(有向)パーコレーションの臨界現象について.
これまでのレース展開の手法は,並進対称性のある「均質な」時空間における臨界現象の解析には非常に強力であった.これを「ランダムな環境」にまで拡張したい.これは本質的に「二重のランダムネス」を扱う重要な問題である.我々は比較的扱い易い「ランダムな環境下での有向ポリマー」を最初の題材として選び,二重のランダムネスに付随する問題を勉強し始めた段階である.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Asymptotic behavior in Z^d of the critical two-point functions for statistical-mechanical models with power-law decaying potentials2012

    • 著者名/発表者名
      Akira Sakai
    • 学会等名
      VU Probability Seminar
    • 発表場所
      Vrije Universiteit Amsterdam (Netherlands)(招待講演)
    • 年月日
      2012-03-19
  • [学会発表] Asymptotic behavior in Z^d of the critical two-point functions for statistical-mechanical models with power-law decaying potentials2012

    • 著者名/発表者名
      Akira Sakai
    • 学会等名
      New Zealand rrooaoillty workshop & Austialla and New Zealand Applied Probability Workshop
    • 発表場所
      University of Auckland (New Zealand)(招待講演)
    • 年月日
      2012-01-24
  • [学会発表] Asymptotic behavior in Z^d of the critical two-point functions for long-range statistical-mechanical models in high dimensions2011

    • 著者名/発表者名
      Akira Sakai
    • 学会等名
      The 7^<th> HU and SNU Symposium on Mathematics "Recent Developments in Mathematical Analysis and Related Fields"
    • 発表場所
      Seoul National University (South Korea)(招待講演)
    • 年月日
      2011-11-17
  • [学会発表] 臨界現象の厳密な解析を目指して2011

    • 著者名/発表者名
      坂井哲
    • 学会等名
      語ろう数理解析
    • 発表場所
      北海道大学(札幌市)(招待講演)
    • 年月日
      2011-09-06
  • [備考]

    • URL

      http://www.math.sci.hokudai.ac.jp/~sakai

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi