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2009 年度 実績報告書

応用科学における逆問題の数学解析と情報理論の適用

研究課題

研究課題/領域番号 21740072
研究機関京都大学

研究代表者

久保 雅義  京都大学, 情報学研究科, 講師 (10273616)

キーワード情報理論 / 数学解析 / 確率微分方程式 / 確率共鳴 / 数理モデル / 非線形システム / 数値計算
研究概要

応用科学(特に医学・工学)に現れる問題を確率微分方程式でモデル化し,数学解析,情報理論および数値計算を用いて確率的挙動が与える影響を解析することが本研究の目的となっている.本研究においては,確率微分方程式を対象に含めることで,ノイズ影響下での数学解析の枠組みを構築することが可能となっている.このような研究の中で具体的な背景をもつものとして,脳内における一つの神経細胞の活動を詳細に調べることが上げられる.大脳皮質の神経細胞の膜電位は,生体内では非常にランダムな活動を行うことが知られている.このランダムな変化は従来より確率微分方程式の数理モデルを用いて表現されている.今回は特に神経細胞における内在的ノイズを確率現象の観点から解析し,数理モデルによる考察を通して,ノイズと神経の情報伝達との関係について考察を行い以下の結果を得た.微視的なイオンチャネルの確率的挙動に基づいて作られた,ランダムで不連続な神経細胞モデルと従来モデルを比較検討し,イオンチャネルの確率的挙動がもたらすノイズと,神経細胞の反応性および神経細胞集団の信号検出能力との関連の有無を明らかにした.一般的に,情報伝達を行なうシステムでは,ノイズの存在は情報処理の妨げになると考えられることが多い.しかしながら,神経系を含むある種の非線型システムにおいては,これまでにも適量のノイズのもとで情報伝達能力が向上するという現象が知られており,この現象は確率共鳴と呼ばれている.本研究ではこの確率共鳴現象のメカニズムを明らかにするため,神経細胞に内在するノイズがより多くの情報伝達を可能とすることを、数理モデルを通して明らかにした.また単一の神経細胞では伝達が不可能であると見なされていた入力の強度やタイミング等の情報が、神経細胞の集団では伝達可能であることを明らかにした.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Suprathreshold stochastic resonance induced by ion channel fluctuation2010

    • 著者名/発表者名
      Go Ashida, Masayoshi Kubo
    • 雑誌名

      Physica D : Nonlinear Phenomena Volume 239

      ページ: 327-334

    • 査読あり

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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