研究概要 |
界面運動を数学的・数値的に「理解」することが研究主題であり,そのため『数学解析技術の発展』と『移動境界の数値的追跡法の開発』が研究目的である.主たるキーワードを列挙すると,以下のようになる. 1.クリスタライン曲率流の一般論の構築 2.移動境界追跡法の、特に性質保存型スキームの開発 3.負結晶成長モデルの発展的研究 4.時間依存隙間をもつHele-Shaw流れの数値計算 5.縦置きHele-Shawセル中を上昇する泡運動の数値計算 6.非局所的Allen-Cahn方程式を用いた非等方的面積保存曲率流の研究 各項目について,研究実績を列挙する.1.爆発問題,特にタイプII型の爆発に関する理論的証明を整備する計画であったが,まだ証明の整備はできていない.2.曲率調整型移動境界追跡法は当初の計画以上に進化・発展している。それに並行して,性質を保存するスキームを開発し,現在まとめている段階である.3.面積保存のクリスタライン曲率流を応用したモデルの整備と,中谷宇吉郎博士の負結晶の物理的考察の数学的裏付けについては,数学的な成果を得たので,現在まとめている段階である.4.時間依存隙間をもつHele-Shaw流れの数値計算は良好になされた.5.2や4が決定的に解決された後に取り組む計画であったので,進展はあまり見られなかった.6.反復法をベースにした現在の方法と2の比較研究については現在進行中である.
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