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2009 年度 実績報告書

統計的離散分布理論とその応用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21740083
研究機関成蹊大学

研究代表者

井上 潔司  成蹊大学, 経済学部, 准教授 (10384653)

キーワード確率モデル / パターン / 確率分布 / 離散分布 / グラフ / マルコフ性 / 双対性 / 母関数
研究概要

平成21年度は主に「有向木上での連およびスキャン統計量の分布理論」を課題として研究に取り組んだ.ここでは有向木(各頂点が2値確率変数であり,方向のついた木)上での連およびスキャン統計量の厳密分布導出方法の提案を行った.連やスキャン統計量の分布理論は,いままで線形試行列上での理論を中心に発展してきた.しかしながら,非線形構造体上での分布理論は,木構造上のconsecutiveシステムの信頼性問題といった,工学的に重要な応用があるにもかかわらず,未発展であり,かつ方法論的にも未熟であった.そのため,長く新たな理論展開の待たれる分野であった.ここでは,確率変数間に高次マルコフ依存性をもつ有向木モデル(higher order Markov tree)の提案をすることから始めた.また,工学的応用にも対処できるよう連やスキャンの数え方を3種類提案した.そして,条件付確率母関数の方法を拡張し,有向木での厳密分布導出が可能となる方法論を確立した.これによって,非線形構造体上でのモデリングが可能となり,モデリングの幅は広がったと言える.さらには,この理論研究において確立された方法論と計算機を用いたアルゴリズム的研究を接近させるように努めた.数式処理システムを用いた(厳密分布が自動的にされるような)効率よい解析システム構築を行った.その結果,アイテム間に高次Markov依存性を持った信頼性モデルの提案が可能となり,より複雑なモデル解析が可能となった.さらには,いままで困難とされてきたconsecutive-k-out-of-n:Fシステムの信頼性を厳密に求めることが可能となった.これらの研究結果は,統計的分布理論の発展に貢献するだけではなく,信頼性工学といった,応用分野の研究者にも影響を与えたものである.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] On waiting time distributions associated with compound patterns in a sequence of multi-state trials2009

    • 著者名/発表者名
      Inoue, K, Aki, S.
    • 雑誌名

      Annals of the Institute of Statistical Mathematics 61

      ページ: 499-516

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Distributions of runs and scans on higher order Markov trees2009

    • 著者名/発表者名
      Inoue, K., Aki, S.
    • 雑誌名

      Communications in Statistics - Theory and Methods 38

      ページ: 621-641

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 一般化された誕生日問題2009

    • 著者名/発表者名
      井上潔司、安芸重雄
    • 雑誌名

      日本数学会統計数学分科会講演アブストラクト

      ページ: 85-86

  • [雑誌論文] 有向木上の連の分布2009

    • 著者名/発表者名
      井上潔司、安芸重雄
    • 雑誌名

      統計関連学会連合大会講演報告集

      ページ: 300-300

  • [学会発表] 有向木上の連の分布2009

    • 著者名/発表者名
      井上潔司、安芸重雄
    • 学会等名
      統計関連学会連合大会
    • 発表場所
      同志社大学
    • 年月日
      2009-09-09
  • [学会発表] 一般化された誕生日問題2009

    • 著者名/発表者名
      井上潔司、安芸重雄
    • 学会等名
      日本数学会統計数学分科会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2009-03-27

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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