研究課題
1996年にBrualdiとHollingsworthは「2n-1色で辺彩色された2n(≧6)頂点完全グラフの辺集合は、辺素なn個の異色全域木に分解できる」と予想した(以下BH予想)。異色全域木とは全ての辺の色が異なる全域木のことである。研究代表者は2008年国内研究集会において異色グラフの定義を一般化しf-異色グラフと名付け、w成分を持つf-異色全域林が存在するための必要十分条件を示し、昨年度はその証明を改良した。ここで、f-異色グラフとはどの色cも高々f(c)本にしか現れないグラフと定義する。w=1、任意の色cに対してf(c)=1とすれば、w成分を持つf-異色全域林は異色全域木である。この必要十分条件は一般にw成分を持つf-異色全域林の存在を背理法で証明する際に有効である。今年度は次の2つの成果を得た。(1)2001年にBrualdiとHollingsworthは「2n-1色で辺着色された完全二部グラフK(n,n)には、もし任意の空でない色集合Rに対してRの色が塗られた辺の本数が|R|^2/4より多ければ異色全域木が存在する」ことを示した。これを、前述の必要十分条件を利用して、任意の色数、一般の完全二部グラフK(n,m)、w成分を持つf-異色全域林についての定理として一般化した。(2)前述のBH予想を「f-辺彩色された2n(≧6)頂点完全グラフの辺集合は、辺素なn個のf-異色全域木に分解できる」と一般化し、関数fに応じた段階的な研究を可能とした。ここで、f-辺彩色とは、どの頂点も任意の色cについて高々f(c)本としか接続しないような辺着色と定義する。この予想が、関数fがf(c)=n-2という定数関数の時に正しいことを証明した。
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http://arxiv.org/
巻: math.CO ページ: 1102.4802
The China-Japan Joint Conference on Computational Geometry, Graphs and Applications
巻: CGGA 2010 ページ: 100-101
http://arxiv.org/abs/1102.4802