研究概要 |
ランダムに変化する光学トラップポテンシャル下でのボーズ・アインシュタイン凝縮のモデル方程式に於いて,特別な解を初期値に持つ解について安定性及び漸近挙動を調べた.このことについて研究協力者Anne de Bouard氏(Ecole Polytechnique,フランス)と議論するため6月にParisへ出張した. ノイズの与える影響と解の大域的挙動についてRadoin Belaouar氏(Ecole Polytechnique,フランス)と数値実験を用いた観察を行ったが,数値実験結果の理論的な解釈にまで至らなかった.さらに,11月にParis, Cergy-Pontoise大学に於いて研究協力者のde Bouard氏とTzvetkov氏とともに日仏交流研究集会「Stability problems in nonlinear dispersive PDEs」を開催した.最新の研究に携わる若手数学者たちを講演者に選んだため,大変面白い研究集会となった.特に日本側からの参加者は日本では盛んでない制御問題などの講演を聞くことができて役に立ったと思う. 有界領域での非線形Schrodinger方程式の高エネルギー解の安定性について,Fouad HadjSelem氏,菊池弘明氏と研究を行い,現在論文投稿中である.高エネルギーな解の安定性は今までに殆ど知られていないため,この分野に対する何らかの突破口を与える結果であると期待できる.
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