量子スピン系の自然な一般化であるAFC*系と呼ばれる系について、シャノンマクミランの定理を拡張した。シャノンマクミランの定理とは、エルゴード的な状態が、漸近的には一様分布のように見えるというものである。そして、その一様な重みは、エントロピーによって与えられる。これは古典系では古くから知られている結果であるが、量子系では、その非可換性により解析が複雑なものとなり、研究が始まったのは比較的最近である。シャノンマクミランの定理はこれまでに量子スピン系について、古典スピン系のシャノンマクミランの定理を経由する証明が知られていた。本研究では、格段にシンプルな、古典系を経由しない証明を与えると同時にAFC*系に拡張を行った。 巨視的物理量の揺らぎのボソンによる近似の問題に関連して、typeIIIと呼ばれる作用素環について、そこに任意の個数の有限システムを埋め込むことができるという定理を示した。
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