研究課題
日米欧が南米チリに建設中の大型ミリ波サブミリ波干渉計ALMAに対する詳細なシミュレーションを実施した結果、銀河団プラズマからのミリ波放射を、かつてない高空間分解能(5秒角程度)で観測できることが明らかになったので、その成果を査読論文として発表した。また、この成果をもとに、初期運用段階のALMAに最適なターゲット天体を選定するとともに、最も効率的な観測戦略を立案し、観測提案を行った。また、日本のJAXAが中心となって開発を進めている次世代X線天文衛星ASTRO-Hによる将来の銀河団観測に対する定量的な検討も進めた。その結果、ASTRO-Hによる高分散・広帯域X線分光によって、プラズマの運動速度を約100 km/s の精度で初めて検出できることや、銀河団の非熱的電子からの硬X線放射を初めて検出できること、冷たいダークマターの欠点を補う暖かいダークマター候補粒子を探査できることなどが明らかになった。現在、これらの成果をまとめた ASTRO-H White Paper の準備を進めている。さらに、原始銀河形成に関しては、従来知られていたよりも金属量の少ない低質量星の発見が報告されたことを受けて、その形成過程を理論的に説明するシナリオの構築を進めた。その結果、宇宙初期に起きた超新星爆発に伴う衝撃派によって圧縮されたガスから、金属量の少ない低質量星が形成され得ることがわかったので、その成果を査読論文として発表した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013 2012 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)
The Astrophysical Journal
巻: 762, 50 ページ: 1-8
10.1088/0004-637X/762/1/50
Publications of the Astronomical Society of Japan
巻: 64, 102 ページ: 1-16
http://pasj.asj.or.jp/v64/n5/640102/640102-frame.html
Experimental Astronomy
巻: 34 ページ: 519-549
DOI:10.1007/s10686-011-9224-7
Proceedings of the SPIE
巻: 8443, 84431Z ページ: 1-22
10.1117/12.926190