研究課題
平成21年度は、すばる望遠鏡データ自動解析システムにより一次処理されたSuprime-Cam装置のデータを利用した研究の実施を重点的に行った。QSO周辺銀河数密度の赤方偏移依存性を測定することにより、銀河とブラックホールの共進化モデルについて観測的な制限を与えることを目的とする研究を行った。Suprime-Camの広視野で深い撮像データを利用することにより、これまでの観測よりより遠方(赤方偏移~2まで)かつ多数のQSO(~1000サンプル)について周辺銀河のクラスタリング強度を測定することに成功した。その結果、遠方のQSOほど周辺銀河のクラスタリング強度が大きくなうていることを示唆する結果を得ることができた。この結果は学術論文誌,"Publications of the Astronomical Society of Japan"に投稿中である。また、Suprime-Camデータの一次処理ソフトの改良を行い、観測日毎にデータを足し合わせる機能を追加した。これまでの一次処理ソフトでは、観測日によらず全て観測データを足し合わせるという処理は簡単に実行できたが、この新機能により、日ごとの画像データを自動生成ができるようになり、時間変動のある天体の探査などの研究、例えば、ガンマ線バーストのアフターグローやAGNの探査への利用が可能となった。この新機能を使って自動生成された画像データは、国立天文台データセンターで開発を行っているバーチャル天文台システムJVOから取得可能である。
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ADASS XVIII ASP Conference Series 411
ページ: 396-399