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2009 年度 実績報告書

弦の場の理論を用いて探る弦理論の基本的な自由度

研究課題

研究課題/領域番号 21740161
研究機関東京大学

研究代表者

大川 祐司  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教 (10466823)

キーワード弦の場の理論
研究概要

開弦の場の理論を閉弦の自由度を加えることなく矛盾なく量子化できるかという問題は、弦理論の基本的な自由度を探求する上で重要な問題である。開弦の場の理論はゲージ理論であるため、量子化する際にはゲージ固定が必要になる。ボゾニックな開弦の場の理論のゲージ固定については良く研究されてきており、相互作用がある場合は通常のBRST量子化は困難で、Batalin-Vilkovisky形式に基づくゲージ固定がなされている。しかし、ボゾニックな弦理論ではタキオンが存在するため、量子化は形式的なものにならざるを得ず、超弦理論を考えることが必要になる。Berkovitsが定式化した超弦の開弦の場の理論に関しては、1995年に定式化されて以来、ゲージ固定の研究はほとんどなされていなかった。今年度、研究室の大学院生である鳥居氏とともにBerkovitsが定式化した超弦の開弦の場の理論のゲージ固定に取り組み、相互作用がない場合についてはゲージ固定に成功した。ボゾニソクな開弦の場の理論のゲージ固定では無限種類のゴースト場が必要であったが、Berkovitsの超弦の開弦の場の理論においてはpictureと呼ばれる量子数の存在およびそれに付随したゲージ対称性により、さらに複雑なゴーストの構造になっている。今回、相互作用がない場合のゲージ固定を行うことでその構造を解明に成功した。相互作用を含んだ場合にはBatalin-Vilkovisky形式を用いる必要があり、Berkovits, Kroyter, Schnabl, Zwiebach,鳥居氏と共同でマスター方程式の解の構成に取り組んでいる。また、タキオン凝縮の動的過程の解析が非常に簡単化するボゾニックな開弦の場の理論の新たなゲージでの解析解をSoler, Kiermaierと共同で構成し、論文を執筆中である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Exact marginality in open string field theory : a general framework2009

    • 著者名/発表者名
      M.Kiermaier, Y.Okawa
    • 雑誌名

      Journal of High Energy Physics 11

      ページ: 041

    • 査読あり
  • [雑誌論文] General marginal deformations in open superstring field theory2009

    • 著者名/発表者名
      M.Kiermaier, Y.Okawa
    • 雑誌名

      Journal of High Energy Physics 11

      ページ: 042

    • 査読あり
  • [学会発表] Gauge fixing of open superstring field theory in the Berkovits non-polynomial formulation2010

    • 著者名/発表者名
      大川祐司、鳥居真吾
    • 学会等名
      日本物理学会第65回年次大会
    • 発表場所
      岡山大学津島キャンパス
    • 年月日
      2010-03-21
  • [学会発表] The boundary state from open string fields2009

    • 著者名/発表者名
      大川祐司
    • 学会等名
      日本物理学会2009年秋季大会企画講演
    • 発表場所
      甲南大学岡本キャンパス
    • 年月日
      2009-09-11

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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