研究課題
本研究は、計算機を利用したデジタルシステムによる制御で干渉計型重力波検出器を操作することにより、干渉計の調整、雑音の除去などをより簡便にし、干渉計の感度向上に貢献することを目的としている。昨年度までに、LIGOグループとの国際共同開発によって整備してきた上記デジタルシステムが、プロトタイプ干渉計CLIOに導入され、デジタル制御を使った干渉計の動作が確認された。本年度は、導入されたシステムを実際に使用し、デジタル化による各種操作の自動化等による干渉計動作制の向上とともに、デジタルシステムの基本性能を見るための最重要課題である、干渉計のノイズハンティングを試みた。その際のデジタル固有のノイズの同定には、本システムならではの素早い取り回しによる、極めて迅速なノイズハンティングが可能であった。これによりデジタル化以前に達成されたアナログ制御での感度に迫る性能を実現し、その基本性能の優位性が示されたと考えている。日本の次期大型干渉計計画LCGTではデジタル制御は必須と考えられており、そのプロトタイプであり、LCGT建設予定地と同じ場所にあるCLIOにデジタル制御を導入することで、将来計画に対する知見と技術蓄積が得られた。
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Phys.Rev.Lett.
巻: 104 ページ: 040602
Class.Quantum Grav
巻: 27 ページ: 084022
http://gw.icrr.u-tokyo.ac.jp/JGWwiki/CLIO/Tasks/DigitalControl