宇宙構造形成におけるニュートリノの役割の解明およびその質量の決定

2010 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 21740177
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
• 研究機関: 名古屋大学
• 研究代表者: 市來 淨與 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教 (10534480)
• 研究期間 (年度): 2009 – 2010
• キーワード: 宇宙論 / 構造形成 / ニュートリノ

研究概要

本研究は、将来の精密な観測との比較に耐えうる、有限質量のニュートリノ効果を考慮した非線形構造形成理論を徹底的に構築・整備することが目的である。主要な研究成果は、球対称な密度揺らぎの重力崩壊に及ぼすニュートリノ質量の効果を取り入れた計算コードを完成させたことである。これまで取り扱いが困難であったニュートリノの効果を我々は方程式系を波数空間と実空間に分割して解くことによってこれを可能とした。ニュートリノの質量により、10^15太陽質量の天体の数が20%程度変化することが分かった。

研究成果

• [雑誌論文] Constraints on the neutrino mass and the primordial magnetic field from the matter density fluctuation parameter sigma8 (2010)
  • 著者名/発表者名: D.G.Yamazaki, K.Ichiki, T.Kajino, G.J.Mathews
  • 雑誌名: Physical Review D 81,10519 ページ: 1-5
  • 査読あり
• [雑誌論文] A Brute force reconstructin of the primordial fluctuation spectrum from five-year Wilkinson Microwave Anisotropy Probe observations (2009)
  • 著者名/発表者名: K.Ichiki, R.Nagata
  • 雑誌名: Physical Review D 80,083002 ページ: 1-8
  • 査読あり
• [雑誌論文] Constraints on neutrino masses from WMAP5 and BBN in the lepton asymmetric universe (2009)
  • 著者名/発表者名: M.Shiraishi, K.Ichikawa, K.Ichiki, N.Sugiyama, M.Yamaguchi
  • 雑誌名: Journal of Cosmology and Astroparticle physics 7,005 ページ: 1-17
  • 査読あり
• [学会発表] 宇宙論的球対称重力崩壊におけるニュートリノ質量の効果 (2010)
  • 著者名/発表者名: 市來淨與
  • 学会等名: 日本天文学会
  • 発表場所: 金沢大学
  • 年月日: 20100000
• [学会発表] Weak lensing and Massive Neutrinos (2010)
  • 著者名/発表者名: 市來淨與
  • 学会等名: APCTP-Topical Resarch-Program 2010, From Quarks to the Cosmos
  • 発表場所: APCTP office, Soel, Korea
  • 年月日: 20100000
• [学会発表] A spherical collapse model with massive neutrinos (2010)
  • 著者名/発表者名: 市來淨與
  • 学会等名: HORIBA international conference COSMO/CosPA
  • 発表場所: university of Tokyo
  • 年月日: 20100000
• [備考] ホームページ等