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2010 年度 実績報告書

弦の場の理論とDブレーンによる初期宇宙・ブラックホールにおける量子重力効果の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21740198
研究機関群馬工業高等専門学校

研究代表者

小林 晋平  群馬工業高等専門学校, 一般教科(自然科学), 准教授 (70513901)

キーワード宇宙物理 / 素粒子論 / 量子重力 / 弦理論 / 非可換幾何学
研究概要

本研究の目的は,弦理論を用いてごく初期の宇宙やブラックホールの蒸発といった,重力系に量子効果が顕著に現れる現象の物理を明らかにすることである。弦理論からは,高次元空間が存在する可能性やゲージ理論とブラックホール時空の間に全く自明でない対応関係があることなど,様々な発見がすでになされているが,私達は本研究において,弦理論から得られる「空間の量子化」という示唆に注目している。
これは,物質とその「入れ物」である空間そのものとは不可分であり,物質が量子化されるのと同様に,空間もまた量子化されるという主張である。この主張は,ごく初期の宇宙は非常に小さく,空間そのものに量子的な取り扱いが必要になるだろうという直観ともよく合う。そこで非可換性を取り入れた理論として,量子力学における座標と運動量の正準交換関係との類推から,空間座標同士に正準交換関係を課したものがよく調べられている。
実際私達も昨年度,空間に非可換性を取り入れた宇宙項のみからなる(2+1)次元重力理論を提唱した。アインシュタインによる重力理論(一般相対性理論)では,運動項にあたるリッチスカラー項が作用に含まれず,宇宙項のみである場合は非自明な解は存在しないが,私達のモデルでは,非可換性の効果によって無数の非自明な解が存在する。今年度はさらにこの理論について研究を行い,量子力学のコヒーレント状態を利用することで,任意の位置に中心を持つような円対称解を構成することに成功した。またこの成果についてKEK Theory 2011のwebページにアップする形で発表を行った。さらに現在,重力の量子論のモデルがすでに知られている点を利用するため,(1+1)次元理論にスカラー場を入れたモデルについても研究を進めており,非可換性の影響でこれまで知られていなかった非自明な解が存在するかどうかについて解析中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 非可換空間上の重力理論におけるソリトン解について2011

    • 著者名/発表者名
      小林晋平
    • 学会等名
      KEK THEORY2011
    • 発表場所
      (震災のため以下のwebページのみでの発表http://resesrch.kek.jp/group/riron/workshop/theory2011/poster2011.html)
    • 年月日
      2011-03-15

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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